こんにちは^^
理学療法士として働いている私が、リハビリやそのお仕事について書いているblogです。
少しでもリハビリの仕事や資格について知っていただけたら幸いです。


前回は、理学療法士(PT)の平均年収・初任給にについてお話ししました。
一般的な平均年収・初任給と比較するとやや高めですが、 昇給には期待できないとお話ししました。今まで理学療法士(PT)について述べてきましたが、今回からは作業療法士(OT)についてお話ししていきます。理学療法士と似ているため、よく比較されますが、どのような仕事なのか、理学療法士と何が違うのかなどを詳しく説明していきます。
今回は、その作業療法士のお仕事内容について説明します。

 

作業療法士(OT)とは?

作業療法士は「理学療法士及び作業療法士法」に基づく国家資格です。
作業療法士は、OT(Occupational Therapist)とも呼ばれることもあります。
作業療法とは、「理学療法士及び作業療法士法」第2条2項において、
「作業療法士とは、身体または精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作、その他の作業を行わせることをいう。」
とされています。
また、同法第2条4項において
「作業療法士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行うことを業とする者をいう。」とされています。

作業療法士はその名の通り、「作業」に焦点を当てた治療・支援を得意とします。
「作業」というと、手工芸のような細かい作業を思い浮かべる方が多いかと思います。しかし、ここでの「作業」は手工芸などの作業を指すのではありません。
作業療法士の「作業」とは人の日常生活に関わる全ての諸活動を指します。
例えば、トイレ動作、着替え、整容などの日常的な生活行為や、家事、仕事、余暇活動、地域活動なども作業に含まれます。
怪我や病気など、何からの理由で作業(活動)ができなくなったり難しくなった時に、作業療法士は様々な方法で対象者をサポートします。また、作業療法士の特徴として、身体面でのサポートだけでなく、精神面に対しても作業を用いてアプローチをすることができます。精神的なアプローチは作業療法士の特徴であり、多くの作業療法士が精神病院などでも活躍しています。

また、理学療法士同様、「理学療法士及び作業療法士法」では、
「作業療法士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行うことを業とする者をいう。」
とされており、「医師の指示の下」という文言が記載されています。理学療法士同様、作業療法士も医師の指示がなくては作業療法を行うことはできず、作業療法士にも開業権はありません。
作業療法士として働くには、病院・施設などの医師の指示がもらえる場所で働くことになります。

作業療法士(OT)の仕事とは?

作業療法士は、医療や福祉・介護の現場はもちろん、保健・教育・職業領域など、社会活動の現場でも作業療法士は活躍しています。
主な活躍の場として

・医療:病院、クリニック・・・
・福祉:障害者施設、児童福祉施設・・・
・介護:老人保健施設、デイケア・・・
・保健:保健所、地域包括支援センター・・・
・職業関連:就労支援事業施設、ハローワーク・・・
・教育:特別支援学校・・・などなど


作業(活動)を支援するという特徴から、就労支援事業施設や特別支援学校などでも作業療法士は活躍しています。
理学療法士同様に、実際患者様との直接的なリハビリばかりではなく、その家族への介助指導や自宅内の住宅環境の調整、その他他職種との情報共有のための会議など、仕事内容は様々です。また、作業に関わるという点で、職場復帰に対する支援なども多くあります。職場の方の理解なども必要な場合が多く、職場の方に来てもらい、どのような仕事ができるのか、どのように周りの職員もフォローしたらいいのかなどを説明したりもします。本人もどのようにしたらスムーズに仕事が進められるかを一緒に考え、必要であればそのための自助具なども作成したりします。障害がある中でも、仕事が可能な場合も多く、能力を最大限に引き出し、仕事を行うための支援を行なっていきます。

作業療法士は何人いるの? 

1963年、日本で初めて理学療法士、作業療法士の養成校が誕生しました。
1965年、「理学療法士及び作業療法士法」が施行されました。
1966年、第1回理学療法士、作業療法士国家試験が実施され、日本初の理学療法士、作業療法士が誕生しました。この時、作業療法士の合格者は20名でした。
第1回の国家試験が行われてから2016年で50年を迎え、毎年多くの作業療法士が誕生しています。
では、現在何人の作業療法士がいるのでしょうか?今後の推移も含めて見ていきます。

作業療法士協会の会員数のデータになります。
スクリーンショット 2019-08-18 22.33.12
(引用元:http://www.jaot.or.jp/wp-content/uploads/2018/11/6fac4aebf9b1a54512df0b5bf8a64844.pdf)

2018年3月31日現在、作業療法士協会に登録されている会員数は、57,960人で、実際の有資格者は84,947名といわれています。

2017年の国家試験合格者数は以下の通りです。

受験者数

合格者数

合格率

作業療法士

,983人

,007人

83.7%

(うち新卒者)

,303人

,800人

90.5%


おおよそ毎年5,000人程度の作業療法士が誕生しています。理学療法士同様、日本の人口が減っている中で、作業療法士もどんどん増えてきています。

厚生労働省の理学療法士・作業療法士受給分科会審議会資料(2016年度)によると、2000年度の時点で、すでに需要と供給が均衡となっており、2001年より供給が需要を上回る事が示唆されています。医療分野を目指す理学療法士・作業療法士が多い中、すでに求人が飽和状態にあり、就職先、転職先を見つけにくい状況になってきていると言われています。
求人が飽和状態というのも、地域によってかなり差があり、大きな都市や街の中心部に集中する傾向にあります。
私の職場でも、毎年作業療法士の求人を出していますし、なかなか来てくれないというのが現状です。大学の先生に聞いても就職先がないという情報はまだ聞いたことがありません。現状では、作業療法士として働く場がないという状態にはありませんが、年間5,000人もの作業療法士が誕生しているということを考えると、今後就職や転職が難しくなる日が来るのかもしれません。作業療法士としてだけでなく、+αで自分にしかできないこと、強みになることを身につけることで、作業療法士として生き抜く力になるのではないでしょうか。


今回は、作業療法士のお仕事についてお話ししました。
理学療法士に比べると、有資格者数も、毎年の合格者数も少ないため、まだまだ需要があると考えるかもしれませんが、厚生労働省の報告では、理学療法士も作業療法士も、需要より供給が上回ってきていると言われています。いますぐ仕事に困るということはないですが、このような現状にあるということは知っておく必要があると思います。


次回は、作業療法士になるにはどうしたらいいのか、養成校などについてもお話ししたいと思います。作業療法士について少しでも知っていただけたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。